今月から造形教育センターの332期が始まりました。
前期の研究を継続し,今期も「社会とつながる子供のデザイン」について研究を進めていきます。332期の最初の月例研究会は秋山朋也先生の実践発表と,横浜国立大学の有元典文先生をお招きして行われました。
秋山朋也先生は,実践「ジョイントシティ」の他,つながりを意識した実践を複数発表してくれました。秋山先生の授業の根底には,すべての子供たちが楽しめ,安心できる活動をプロデュースするという指導観があると思います。友達との作品を並べたりつなげたりすることで,活動に喜びや楽しみを見出しているようでした。
後半に講演とワークショップを行われた有元先生は,教育心理学を専門とされています。その知見を分かりやすくお話していただけました。思い通りにならないということを他者に助けられている「他力」とのセットで学んでいるということ,また,思い通りにならないことを知り,でもつながると独力よりよいことが出来るようになるということ。そのために学校の中での協働が練習になっているということ。そのことで「ひらめき」が生まれます。子供の活動を見る時に,周囲の他の子供たちや材料などが含まれていき,協働的な学びの意味が広がりました。図画工作や美術の授業の中で子供の活動を理解するときに活かしていけると思いました。
座談会の中では,図工・美術のアイデンティティの話になったり,ひらめきとは力を込めて行うことではなく自然に生まれてくるものであったりするなど,多くの示唆が得られました。
参加者全員に送る「さすが私たち」です。
(文責 守屋)