夏の研究大会

第67回夏の研究大会 報告2

1日目の午後,二人目のゲストとして遠藤幹子氏に福岡から講演をしていただきました。

 遠藤氏はNHK「いないいないばぁ」の舞台をつくったり,美術館などで多くのワークショップを行ったりしています。今回の講演では,「渋谷区プレーパークのおてつだい」,「箱根の彫刻の森美術館」,「西すがも創造舎巣づくりプロジェクト」,「あいちトリエンナーレplayground」,「千葉市美術館おはなしこうえん」,「ザンビアのマタニティハウス」など,遠藤氏が実践されている参加型のデザインや関わりの場作りについてのお話をしていただきました。誰もが創造力をもっているものとして,それを発揮するための場作りとはどのようにすればよいか,人や地域をエンパワーしていくか,遠藤氏の実践の数々からは,我々が教師として子供への学習の場作りに活かすことができる多くのヒントをいただきました。講演の後は,先にお話をしていただいた中島氏佑太氏と遠藤氏に登壇していただき,センター研究部と座談会形式で話をしていただきました。お二人の話から我々が学校教育でどのように子供と関わっていくのか,また,自由についてや,子供の目線になり寄り添うなど,様々な話題が広がっていきました。

 2日目は国際交流委員会の発表でした。ゲストに石田恒平氏をお招きし,JICA海外協力隊としてモザンビーク共和国で2年間活動をしていた時の話をしていただきました。現地のインフラ,学校設備などには多くの課題を抱えていて,その状況を踏まえたうえでどのように教育活動をしていくのか,石田氏の熱意と工夫が感じられる実践を紹介していただきました。笑顔の絶えない様子などから,石田氏が感じるモザンビークの豊かさについても紹介していただきました。また,海外の教員でも子供の絵は「こうあるべき」というような価値観をもっている人もいることが話題にもなりました。後半はモザンビークと接続し,現在活動をしている富井佳織氏から現地での様子を紹介していただきました。質問の時間に話題になったのは,現地のコロナの様子,学校の様子など幾つかありましたが,特に残っているのはモザンビークの人と人とのつながりの温かさや心の豊かさについてでした。石田氏や富井氏がモザンビークで感じたことを日本の学校現場で生かしていくこと方法を考えていきたいと思います。

 (文責 守屋)