月例研究会

342期12月月例研究会報告

 12月15日日曜日,342期12月の月例研究会が成城学園初等学校で行われました。この月例研究会から本格的に342期がスタートします。

 秋山研究部長による研究テーマ「モノとぶつかる価値」についての研究部提案から,会はスタートしました。AIについての議論も広がりつつある今現在,子どもたちや私たちを取り巻くモノについて考えることはより重要になってきています。前回の夏研以降,造形教育センターの歴史研究も並行して進めてきた秋山先生による提案は,造形教育研究を行ってきた先輩たちの引用も加えられ,以前にも増して理論に深みが加わりました。モノとヒトとの関わりについて,より必要性が増しているということを実感する提案でした。

 そして後半は「職人さんから学ぶ~本格的なものづくりとの出会いから生まれるもの~」という演題で,和光小学校の植林恭明先生による講演と木工ろくろのワークショップが行なわれました。

 植林先生は,勤務校での実践について,どのような思いをもって教育に携わっているのか,子供たちへの視点,教材観など非常に丁寧にお話をしていただきました。また,今回の講演の主旨でもある手回し木工ろくろについても,植林先生が実際に職人さんのところに伺い,手回し木工ろくろを体験していった経緯,そしてそれを手作りし小学校で使えるようにしていったことなどを,その時の苦労や制作の工夫を説明していただきながらお話していただきました。子供たちに体験させてあげたいということ,そしてそこからしか得られないものがあるという教育への熱意に溢れていました。

後半のワークショップでは,木工ろくろを動かしながらうつわをつくっていきました。実際に手を動かすことによる木への抵抗感が,木の形を変えていくこと実感していきました。

 植林先生は元々保健体育科で民舞を専門としていると聞き,また驚きました。造形教育を専門としている自分たちもまた広く視点をもって教育に携わりたいと考えました。植林先生には貴重な体験の機会を与えていただき,また,そのために綿密にご準備をいただいたこと感謝いたします。

いよいよスタートした「モノとぶつかる価値」2期目。そして,70周年記念行事に向けての準備も進んでいます。今後はその進捗も併せてご報告していきます。

(文責 守屋)