月例研究会

6月月例研究会 報告

 6月の月例研究会は役員である金田一先生の実践発表と、ゲストスピーカーとして中野優子氏をお招きしてのトーク&ワークが行われました。中野氏はダンサーであり、東京大学大学院教育学研究科にて研究員をされている方です。

はじめに金田一先生から実践発表がありました。金田一先生の実践はこれまでの教師経験の中で長く行われている人形製作です。人間の筋肉や骨など、普段何気なく感じているものでありますが、改めて自分たちは身体について本当に知っているのか考える機会ともなりました。

後半の中野氏のトーク&ワークでは、お話を聞いてからダンスを実際に踊ってみて、参加者が感じたことを質問していくという流れでした。まずは中野氏の実践の裏付けとなっている理論についてのお話です。触発という表現者が外的世界と触れ合う際に起こる内的プロセスの一つについて、中野氏の理論を聞かせていただきました。デュシャンの「大ガラス」を見て踊る実践や、宅ダンというコロナ禍においての実践について発表していただきました。

ワークではセンター委員長桐山卓也先生の作品を使い行われました。今回はCェタツヤ氏に一緒に踊っていただき、タツヤ氏の絵画作品を前にした自由なダンスにより、参加者の自分たちも自由に動けるようになっていきました。踊ることによる自分の身体の理解や、表現について考えていきました。

何名かの参加者の方が解放感を得たと感想をお話していましたが、その解放感の正体とは一体何なのか不思議に思いました。解放感について考えていくことは、子供の表現、デザインに結びついていますし、これからの造形教育について必要なことの一つでもあります。もっと言えば学校教育にとって必要なものなのかもしれないと感じました。

 (文責 守屋)