◆2月26日(土) 東京学芸大学附属竹早中学校

 2月の月例研究会は、講師に野口徳雄氏をお迎えし、アメリカの手漉き和紙についてビデオを交えながら、お話しいただきました。会場は 東京学芸大学附属竹早中学校、学内の道路脇には雪が残り、風の冷たい一日でしたが、30名の参加者が集まりました。彫刻家でもある野口氏は素材としての和 紙に興味を持ち、日本各地の和紙の産地などを取材後、アメリカにも手漉き紙に対する取り組みがあることを知り、2001年からPOLA美術振興財団の助成 を受け、ニューヨークを中心にアメリカに滞在し、アメリカ各地の主要な紙漉場を取材して回りました。その活動をビデオ”HAND PAPERMAKING IN USA 2001-2002”にまとめ、注目を集めています。
 ビデオはアメリカの手漉き紙に関わる非営利団体の活動や手漉き紙工房の技法、大学や研究期間のシステムなど、インタビューを中心に実際の紙漉きの様子などについて紹介しています。
 ビデオを解説していただきながら、話はアメリカの紙漉きだけでなく、日本の和紙との比較、手漉き紙の魅力など、作家として、研究者としていろいろな角度から幅広く語られ、氏の見識の広さに学ぶことの多い研究会となりました。
 日本の和紙文化について正しく伝えたいという野口氏に、改めて和紙についてもっと知りたいと感じた参加者も多かったのではないでしょうか。

講師 「野口徳雄」(のぐちとくお)

略歴
1996年3月 宇都宮大学教育学部美術科卒業
1998年3月 同大学院美術教育専修彫刻分野修了
1998年9月 School of VISUAL ARTS入学(NY,USA)
1999年5月 DIEU DONNE PAPERMILL, INC(NY)にて2ヶ月間の研修
1993~99年 アジア3カ国、ヨーロッパ7カ国渡航
01年3月~02年 POLA財団の助成のもとNYを中心にアメリカで活動

受賞歴
1996年6月 “UNTITLED”〔和紙〕
   栃木県芸術祭にて彫刻部門奨励賞受賞
1997年10月 “FERNS”〔和紙・竹〕
    今立現代美術紙展97にて入選
1998年12月 ART 5 GALLERY (NY)にて個展


野口徳雄氏