◆6月12日(土) 練馬区立美術館


■テーマ 『 美術館における教育活動の実践』

 6月の月例研究会は、学校以外の造形教育を広くとらえようと「美術館における教育活動の実践」をテーマに、練馬区立美術館で開かれました。
 会場では、練馬区美術家協会展が開催中、たくさんの地元作家の作品が展示され、区全体の創作活動にかける思いが伝わってきました。
 月例研究会は2時30分よりスタート。まず、美術館が主催する子どもたち対象のワークショップを見せていただきました。2枚のフェルトを縫い合わせたも のに綿を詰め、飾りをつけていく作品です。参加した子どもたちは、そのフェルトを思い思いの形にして楽しそうに作っていました。スタートは同じなのに、子 どものイマジネーションによって、いろいろな作品が産み出されるのを目の当たりにすると、改めて子どもの発想の豊かさに驚かされました。
 ワークショップの終了後、当美術館学芸員の高橋優実先生にいろいろとお話をうかがいました。練馬区立美術館では、年に10~15回程度、区内の小学生を 対象にこのようなワークショップを行っています。子どもたちは、「学校の図工より楽しい!」とリピーターも多いそうです。このワークショップは、作品を作 るだけではなく、美術作品を鑑賞するという活動を取り入れているところが特色です。美術館ならではの活動ですが、ワークショップを通して作品を鑑賞する楽 しさも大切にしているとのことです。
 スタッフはとても熱心で、主に美大生や美大卒業生、時には現役の作家も参加されるそうです。美大生、美術学芸員、学校の教師、作家、子どもたちがお互いにコミュニケーションできる場として美術館を提供していきたいと話していました。
 美術に関わる人たちが、お互いに接する場というものがなかなかないのが、現状だと思います。こういった連携によって、さらなる美術教育の可能性が見いだせるように思いました。