3月月例研究会

◆3月4日(土) お茶の水女子大学附属小学校

◆発表者○岡 照幸 (おか てるゆき)先生  国立音楽大学附属小学校
 テーマ: 独創的想像力を求めて 「音の出る彫刻」 「カッター職人」の実践を通して
 ○森 玄太 (もり げんた)     東京造形大学大学院

テーマ:「壁画プロジェクト~大学院生のセルフエデュケーション実践例~」

◆「デザイン教育再び ーセルフエデュケーションをめぐってー」

今年初めての月例研究会は、新研究部のテーマである「セルフエデュケーション」をめぐって、国立音楽大学附属小学校、岡照幸先生の実践報告、センター研究部役員でもある森玄太氏の大学院で取り組んだ壁画プロジェクト活動をそれぞれ発表して頂きました。
 岡先生の実践報告は「カッター職人」(3年生)と「音の出る彫刻」(5年)、“独創的想像力”を養うという独自の図工指導に対する考え方を紹介しなが ら、それぞれの題材について導入や制作の流れなどを紹介して頂きました。音楽家を目指す子どもたちが多く学ぶ学校だけに音楽と造形活動の違いについての考 察を述べられたり、具体的な題材から目の前の子ども達に何を伝え、どんな力を育もうとしているのか熱心に語られる先生に、同じ造形教育に関わる指導者とし て大いに刺激された時間となりました。
 東京造形大学大学院に在籍する森氏は、自らが関わった壁画プロジェクトについて、研究部のテーマである「セルフエデュケーション」の視点から活動の一部 始終を実際の下絵や画像を交えながら発表してくれました。これは、相模原協同病院の依頼を受けた大学院が、授業の一環として学生達の力で病院の小児入院棟 の壁画に絵を設置するというプロジェクトです。さまざまな専攻の学生が力を合わせ、病院や関係業者との折衝まで行うこの活動は、学校での講義などと違っ て、様々な苦労があったようです。「自分の殻を破らなければならなかった」「自分の居場所は自分で作る」「自己満足ではない造形活動」「自分の活動に責任 を持つことを実感させられた」といった言葉からもこの”セルフエデュケーション実践”として位置づけた壁画プロジェクトを通じて、森氏自身が自ら掴んだ大 切なものが伝わってくるように感じられました。

岡 照幸先生
森 玄太氏