6月 月例研究会

◆ 6月24日(土) 青山アンデルセン

◆ 講師(話題提供) 熊倉敬総氏(慶応義塾大学)

◆「セルフエデュケーションって何?」

 

センター研究部が研究テーマのキーワードとした「セルフエディケーション」について学習しようと「セルフエデュケーション時代」(フィルムアート 社:2001年出版)の著者の一人である熊倉敬総氏をお招きして月例研究会が開かれました。会場は表参道駅前にある青山アンデルセン、1階ではパンを販売 しているお店の3階パーティスペースです。会は、まず熊倉氏に「話題提供者」として、セルフエデュケーションについて話をしていただき、その後参加者がそ れぞれ氏に聞いてみたい事を付箋に書き出します。研究部が集計、まとめる間、参加者は会場に隣接したパーティスペースに用意された飲み物や食べ物で懇親タ イム。これまでにはない研究会の形です。
 喉やお腹が満足した後半は、付箋に書かれた質問に対して、氏が順番にご自身の考えを述べられるという形をとりました。

 会のテーマは「セルフエデュケーションって何?」研究部として学習会を開いて問い続けた課題がそのままのテーマです。語源となった出 版物では、広いカテゴリーに渡り、様々な角度からアートや現代社会、教育等について鋭角な切り込みがなされているために、「セルフエデュケーション」とい う言葉をどうとらえれば良いのかわかりにくくなっています。夏の研究大会を前に、自分たちの疑問、フロアからの質問を熊倉氏に直接ぶつける形をとらせてい ただく事にしました。
 熊倉氏は、学びを水泳や海外旅行等を身近な例に例えながら、異なる/予期せぬ力との遭遇から引き起こされる自己の破れや崩れを直感や大胆さ忍耐力、駆け 引きや即興等によって生き延びる技の習得をセルフエデュケーションとし、アシストとしてのファシリテーター(自己の破れを生き延びる技を習得しうるような 環境のデザイナー)等について説明されました。
 後半の質問に答えるフリートーキングの中では、ご自身のフランス文学研究からアートへ方向転換された経緯や、セルフエデュケーションの具体化として大学 で実際に展開しているプログラムの紹介等、一つ一つの問いに真摯に答え、参加された方々の疑問をていねいに解きほぐしてくれました。

 参加費が高く、会場や時間設定もこれまでにない会でしたが、時間とともに会場はリラックスした中にも緊張感のある学びの会となりました。お忙しい中、企画を快く引き受けていただいた熊倉氏に感謝したいと思います。

熊倉敬総氏