3月月例研究会

◆平成23年3月5日(日) 午後3時~5時 
◆学芸大学竹早小学校 たけのこルーム

講演「バウハウスから日本の造形教育へ ―造形教育センターがうけついだもの―」
講師 東京造形大学教授  小林 貴史先生

講演「子どものための造形・デザイン/キッズサイズデザインの歩みとその展開」
講師 東京造形大学教授  春日 明夫先生

平成23年初めての月例研究会が3月5日、学芸大学附属竹派や小学校で開催されました。平成23年のスタートに相応しい、造形教育センター元委員長お二方による講演です。

先ず、前委員長小林貴史先生から「バウハウスから日本の造形教育へ ―造形教育センターがうけついだもの―」という講演をされました。
昨年、春日明夫先生との共著で出版された『桑沢学園と造形教育運動 普通教育における造形ムーブメントの変遷 』から、バウハウスの概論、造形教育センターの成り立ち、そして造形教育センターが受け継いできたことなどをわかりやすくお話しされました。小林先生の 「過去の先人達の活動を理解した上で、自分が何をすべきなのか、自分のたち位置を見極める」といった研究をはじめた経緯や「指導法、教育課程だけにとらわ れず、造形教育を考えてきたセンターの意思を継ぎ、どれだけ社会を巻き込んでどういう人間を育てられるか。」という言葉から、今日の造形教育センター参加 者が、もう一度原点を振り返ることのできる講演でした。

続いて、元委員長春日明夫先生より「子どものための造形・デザイン/キッズサイズデザインの歩みとその展開」 という講演をされました。
「子どもたちを授業の中で、どうやってつくることに目を向けさせるか」という課題からはじめた玩具づくりが「キッズサイズデザイン」研究の原点であるとお 話をされました。「キッズサイズデザイン」とは、子どもにとってのデザイン、子どものためのデザインという意味があり、子どもに向けたまなざしが子どもの ためのデザインであるということを、お話しされました。ウォルト・ディズニーやフィッシャープライストイズといった古き良き時代のアメリカのキッズサイズ デザインのお話や、バウハウスの子どもの為のデザインなど、春日先生独自の視点から、貴重な資料を交えてお話しされました。
講演で紹介のあった内容は平成23年秋に発行予定『子どものための造形・デザイン/キッズサイズデザインの歩みとその展開』で詳しく紹介されるそうです。

元委員長お二方による講演会は、参加者一同が、今一度造形教育センターのあり方と、子どもたちの何に寄り添って造形教育を考えていくかを再認識する大変有意義な時間になりました。