4月月例研究会

◆平成22年4月25日(日) 午後3時~5時 
◆お茶の水女子大学附属中学校 美術室

造形教育センター 271期 小泉薫新委員長及び新役員による初めての月例研究会が、お茶の水女子大学附属中学校で開催されました。
 まず、新研究部長である岡 照幸先生より、新しい研究テーマについて発表がなされました。新しい研究テーマは「つくる喜び×創造経験 ―つきぬけるとき をめぐってー」です。キーワードは創造性、つくる喜びに満ちた創造経験を主体的な振り返りと見積りで繰り返す中で訪れる「つきぬけるとき」。枠や殻を破っ て自己を解放する「とき」、造形活動が「つくる喜び」そして「生きる力」となる瞬間についてしっかりと見つめ考えるテーマです。
 この研究部のテーマを受ける形で本日の講師である竹内博先生より「創造性の解きなおし(蘇生)」をテーマに講演していただきました。竹内先生は、造形教 育センターの元、委員長であり、京都教育大学の名誉教授でもあります。著書には「アート教育を学ぶ人のために」をはじめ「造形教育の原理と方法」など先生 自身の教育実践に基づいた造形教育の 出版物は、日本の造形教育に大きな影響を与えています。
 講演会では、「創造性」について先生にとっての古典的な文献を紐解きながら、創造性という概念をまず大きく押さえるところから始められました。まず、 J.P.ギルフォードの創造力の因子。創造性を研究した著者の創造力の因子分析から導かれた6つの因子について解説された後、アメリカの創造技法であるブ レーンストーミングについても紹介されました。続いて、先生自身が指導された生徒の作品紹介を交えながら、創造性にあふれた題材についてどのように先生が 授業を設計してこられたのか、豊かな発想をどのように培っていけばよいのかお話をいただきました。
 具体的な生徒作品を次々と例示しながら、自由自在に展開するまさに創造的な講演は、現場で指導に向かう造形教育に関わる教員にとって本当に内容のある講演会となりました。  新たな研究テーマ「つくる喜び×創造経験 ―つきぬけるときをめぐってー」のスタートにふさわしい貴重な月例研究会となりました。