月月例研究会

◆平成23年4月16日(土) 午後3時~5時 
◆学芸大学竹早小学校 たけのこルーム

 

1 研究部より「272期の研究について」
2 実践発表
「描画に対する苦手意識をめぐって」
 中原直人先生(山野美容芸術短期大学)

「造形遊びにみる子どものつきぬける瞬間 ~1000枚の活動写真の分析~」
 石賀直之先生(鶴見大学)

東日本大震災の影響などから、開催が危ぶまれていた4月の月例研究会でしたが、今だからこそ造形教育のできることを考え、実行しようという小泉委員長、岡研究部長の元に、多数の参加者が集まり、盛況な研究会が開催されました。
山野美容短期大学の中原先生は、学生のデッサンに関わる「描くことへの苦手意識の払拭」を、大量のアンケート結果を元に考察されました。表現することは人 間の本能的欲求であり、その根本は美術教育の時間が保証すべきであるという先生のお考えについて、苦手意識を払拭するためのいくつかの実践例をあげてお話 しされました。
後半は「造形遊びにみる子どものつきぬける瞬間 ~1000枚の活動写真の分析~」をテーマに鶴見大学の石賀先生が造形遊びについて、これまでの研究からお話しされました。造形遊びの様々な実践を、子ど もの目線、目線の向こう側にあるもの、その場面が具体的にわかる大量の写真から、「造形遊びとは自由と自然との遭遇」という捉え方についてお話されまし た。 また、石賀先生は、この度の大震災の新聞記事から「子どもたちの合図で紙飛行機を飛ばす被災者」のことを紹介され、そこに見られる「造形的思考」の素晴ら しさや大切さを指摘されていました。
この度の震災で、造形教育センターの会員は、今自分にできること、今造形教育にできることを少なからず考えました。石賀先生は、震災後、今一度造形遊びに ついて考え直したそうです。フロアからは、自分の作品として学生が発表した段ボールの組み立て式のいすが、関係者の目にとまり被災地に送られる話が持ち上 がっていることなどの話題が持ち上がりました。