◆6月月例研究会

(都立総合芸術高等学校)

・日時 平成 25年6月 22 日(土) 13:00~16:30


・内容 講演 及び 施設見学 「都立総合芸術高等学校における教育活動」

    講師:中村美知枝氏(主任教諭)庄司美子氏(主任教諭)


・会場 東京都立総合芸術高等学校 (校舎棟1階 視聴覚室)

 創立4年目を迎え、先の年度末に初めての卒業生を送り出した都立総合芸術高等学校における教育課程や、それぞれの科や専攻での教育活動について、中村氏より概要説明がありました。

・美術科(日本画・油彩画・彫刻・デザイン・映像メディア表現専攻) ・舞台表現科(演劇・舞踏専攻) ・音楽科(器楽・声楽・作曲・楽理専攻) 引き続き、昨年度3月に卒業した1期生の卒業制作である動画DVDを鑑賞しながら、指導に関わった庄司氏より解説の後、質疑応答を経て校内を見学に移りました。

いずれの科も、多くの参加者からため息が出るほどの素晴らしい施設で、授業の無い土曜日であったにも関わらず、生徒たちは自主的に登校し、恵まれた環境の中、制作やレッスンに励んでおり、大変な活気と熱気にあふれていました。その真剣な眼差しや、好きな道に精一杯打ち込んでいる人々特有の、いかにも楽しそうで満ち足りた雰囲気、それを支える素晴らしい人的環境を目の当たりにしました。 研究会参加者から生徒たちに対しても、多くの質問がよせられていましたが、生徒たちも丁寧に答えてくれる場面が見受けられました。

見学後の質疑応答でも、「生徒の挨拶が良い」という意見が聞かれましたが、 「美術科だけでも50人近い教員が在籍しているため、多くの教員が多面的に見ながら、個性を認め、それぞれの良い点を見つけて伸ばしていける環境があることで、自己肯定感や精神的に満たされていることからくるのでは…」という中村氏や庄司氏のお話でした。

熱のこもった質疑応答や議論が行われ、あまりの環境の素晴らしさに「高校生としては、あまりに恵まれすぎているのではないか?」 との疑問も寄せられました。

それに対して 「15の春を、あえて美術(や音楽や舞台表現)を選んできた生徒たちに対してリスペクトをもって教育をする必要性がある」「制作とは何かということに、真剣に取り組む経験をさせたい」 との中村氏のお話がありました。また、予備校ではない高校生としてのあり方が大切で、「疲れた…別の絵でも描くか…」という生徒のつぶやきが聞かれることにその意義の大きさがあるとのお話がありました。

北澤委員長からの最後のあいさつのなかで「この数か月の月例研究会で、成城学園初等学校や静岡駿東郡長泉町立北中学校へ伺い、 今回も都立総合芸術高校にお邪魔して、その空間の中で初めてわかったり、実感できることの大切さがある」とのお話で会が締めくくられました。