基調提案
造形教育センター2012年度(281期)  研究テーマ
つなげよう―実感を通して広げようー


研究部長 山田猛

 

「つなげよう」

人と人

ワークショップや共同制作、相互の作品鑑賞等を通じ、如何に造形活動を通して人と人をつないでいくか。 
共感、共有し、認め合う体験を。(個→共)

異分野

造形教育の枠の中に留まらず、造形を媒体として、如何に他の異なる分野につながっていくか。

異なる校種

   幼小中高大の校種を越えて連携をとり、造形教育として社会に出るまでに如何にコンピテンシーを形成していくか。

  異国  

   我が国のみの考え方や視点に限らず、広く海外からも学び、人種、国、文化、宗教、言語等を越えて心に直接訴える事の出来る造形だからこそできるものを模索する。

異時代

   造形は、時代を超えて我々に語りかけてくる。現在の造形教育も、過去から学ぶべき点はないだろうか。
これらを踏まえ、「つなげる」=つながることをキュレーションすると置き換えてみて、キュレイターの視点を持ち、造形と他分野との接点を見つけ、そこを切り口として学びつつ、視野と意識を広げ、考え方を深めていくことを目指したい。

「実感を通して」

 このような時代だからこそ、バーチャルではなく、五感を総動員し、手を使ったモノづくり体験を通して、実感をともなう創造経験の重要性を改めて問い直す必要性を感じる。造形活動を通して、つながりの中に存在する自分自身を実感し、失われつつある人間性の回復を目指したい。 

 

 

 

 

 

 

 

「広げよう」

  造形教育に携わる我々自身が、その枠のみに留まらず、広い視野を身につけるために、様々な違う分野につながり、広がっていく事を、意図的・意識的に実践する必要を感じる。さらに、その接点を通し、他の分野からも造形の世界に広がってきてもらう事も目指している。造形教育というものが、ごく一部の限られたものではなく、多くの人にとってもっと身近なものになることを目指したい。