―ごあいさつ―

「それが世にとって必要なことなら、きっと実現できる」

造形教育センター第30代委員長

山田猛(東京学芸大学附属竹早中学校)

「十干十二支」の組み合わせが60年で一周まわって元の干支にもどるため「還暦」と呼ぶ事はよく知られています。日本で赤いチャンチャンコを贈るのは、もう一度赤ちゃんとして生まれ変わって出直す意味があると言われています。

造 形教育センターもその時が参りました。今年60周年を迎え、8月に盛大に記念大会を開催することができました。ご協力いただいた会員や賛助会、またご参加 いただいた関係者の皆様方におかれましては、深く感謝申し上げます。その記念大会時の総会において、会員の皆様のご推挙により、第30代造形育センター委 員長を拝命いたしました。

戦後日本の美術教育に大きな足跡を残してきている歴史ある会の委員長は、大変な重責で身の引き締まる思いです。 先輩方の高い志をしっかりと引き継ぎ、会員の皆様のお力添えをいただきながら、生まれ変わって出直すという意味でも、充実した会の運営に尽力させていただ きます。

私事で恐縮ですが、かつて海外数カ国で国際協力関係の仕事に携わって参りました。その経験から学んだことは「世にとって必要なこ とは実現できる」ということです。「必要」を実現する時には、不思議なほど多くの「願い」や「力」が集まってくるものです。逆の発想をすれば、もし到底か ないそうにない夢や目標があったとしても、それを「世の必要」と絡めていくことで、高い志と誠意と情熱でネットワークを構築していけば、実現の可能性が高 くなるということです。

造形教育センターは、「世にとって必要なことに、造形活動を通して如何に切り込んでいけるのか」という事を真剣に取り組んでいく所存です。皆様方の研究会へのお運びをどうぞよろしくお願い申し上げます。