・日時 平成25年5月11日(土) 13:30~17:00 (前泊オプション)
音を聞き、音のイメージから発想して、心の形を描こう!」
発表者:静岡県駿東郡長泉町立北中学校教諭 夏目幸広氏
12日(日) 13:00~16:30
講師:MOA美術館学芸課長 矢代勝也氏
講師:竹細工作家 大場岱助氏
・会場 静岡県 御殿場 11日―ヴァンジ彫刻庭園美術館、駿東郡長泉町立北中学校
12日―時の栖 Hotel Brush Up会議室
・内容
昨年夏の総会にて発足した静岡支部が主催する月例研究会が開催されました。前日のオプションも含めれば、一泊二日の内容の濃い充実した研究会となりました。
富士山に連なる愛鷹山麓の中腹にある、イタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館で、鑑賞会を開催。雨の降りしきる中、クレマチスの花が咲く美しい庭園のなかで風景と調和しながら点在するヴァンジの作品群が、圧倒的な存在感で迫ってくるような印象でした。
音を聞き、音のイメージから発想して、心の形を描こう!」
発表者:静岡県駿東郡長泉町立北中学校教諭 夏目幸広氏
カンディンスキーの「インプレッションⅢ(コンサート)」を見せ、4つの音源から「作品のもとになったシューンベルクの無調音楽『3つのピアノ曲』はどれだろう?」考えさせる導入から始まり、音からのイメージを色と形に造り上げていく授業展開を、作品とともに具体的な技法や展開の仕方の説明を交えながらの発表でした。
美術室には「自由の実験室」とのプレートがかかり、生徒たちのエネルギッシュな作品群が所狭しとあふれかえり、壁面や窓には岡本太郎の「たとえ無名の人でも、自分を貫いて生きている人がいれば、そういう人こそ一流だ」等、数々の印象的な言葉が掲げられており、夏目氏の美術を通した人間形成の日々の熱い実践が感じられる印象的な美術室でした。
講師:MOA美術館学芸課長 矢代勝也氏
MOA美術館より、光琳の紅白梅図屏風と、私淑した宗達の風神雷神図屏風の実物大模型を持参いただき、二つの作品を美術館ではできないほど間近に鑑賞しながらの大変贅沢な講演でした。「捨象」「複数の視点」「クローズアップ」「文様化」「主題の持つ季節感」等のお話を交えながら、江戸の画家でありデザイナーでもある光琳に迫る興味深い内容と、最新の科学的分析による技法の説明等、現行の資料集等の説明とは違う金箔や銀箔の使用等真実も明らかにされ、貴重な鑑賞模擬授業でした。実践された数々の学校等での鑑賞模擬授業で、紅白梅図屏風を鑑賞した子供の感想の中の「未来を感じる」との言葉が印象的でした。
講師:竹細工作家 大場岱助氏
大場氏の詳しくわかりやすい説明の後、参加者は皆童心にかえって夢中で竹とんぼ作りに励みました。わずかな削り方や角度の違いで、左右の羽の重さが変わり、それが飛ぶかどうかに影響するという竹とんぼの奥の深さを体感しました。なかなかうまくいかない参加者も大場氏の適切なご指導を受けた後は、全員が竹とんぼを飛ばすことができました。また、授業でも使える厚紙を利用した簡単な竹とんぼ作りも紹介いただき、楽しくも貴重な体験学習となりました。
※この研究会を通して、静岡支部に新たに入会していただいた参加者もみられ、今後ますますの発展が期待できる、楽しくも貴重な会となりました。