月例研究会

341期 12月月例研究会 報告

いよいよ造形教育センターの341期がスタートしました。
委員長松原雅俊先生,研究部長秋山朋也先生が中心に進めていくこれからの2年間の研
究のテーマは「モノとぶつかる価値」です。秋山研究部長の基調提案では,今の時代にモ
ノと関わることがどれほどの意味をもつのか,なぜこのテーマが切実な意味をもつのか,
ご自身の経験と共に今後を見据えたその意義について提案がされました。
今月はHYKEというファッションブランドでデザイナーをしている大出由紀子氏にご登
壇いただき,研究部長の秋山と対談をしながら,大出氏のファッションデザインに対する
考え方やモノづくりの姿勢などをお話していただきました。大出氏が現在のファッション
デザインの仕事に就くに至るそのルーツ,ブランドづくりへの思い,デザインの方法など
を聞き,そこから研究テーマであるモノとぶつかる価値について考えていきました。大出
氏も布という素材を服へ,さらに言うとファッションというさらに大きな概念に変化させ
ていく仕事をしている方です。日々モノとぶつかっていると言えます。こだわりと熱量が
大出氏の原動力になっていると感じさせられました。大出氏がこれまでつくってきたファ
ッションがストーリー性を生み,そしてブランディングを成立させているという話が,ビ
ジネスとしてモノづくりをしている方の意見として,大変刺激のあるものでした。
学校の教員は教育として子供に自由にモノづくりを体験させていくと同時に校種に応じ
てビジネスの世界にも視野を向けさせる必要もあります。また,自由な服装は学校が目の
敵にしているのではないかという意見も出るほど,実は服は制約の象徴になっていたりし
ます。今回は服というモノと教育とを多軸につなげる視点を得られました。
341期のこれからの研究はぜひ参加者の皆さまとも一緒に深めていければと思います。
(文責 守屋)