月例研究会

造形教育センター332期 5月月例研究会 報告

 5月21日(日)、332期5月の月例研究会が成城学園初等学校で行われました。

 前半では役員の実践発表として、成城学園初等学校の実践事例を秋山朋也先生にご発表いただきました。後半は、ミテモ株式会社シニアディレクター/立命館大学デザインセンター客員研究員の杉谷昌彦氏にご登壇いただきました。

 前半では、成城学園初等学校で実施された授業実践や学園の成り立ちについて紹介し、「現象・不確実を楽しむ」ことについての発表を秋山先生がしてくれました。

『絵にあらわ(表・現)す面白さって何?』など、質問形式を交えた発表の中で、意見交流や各々に考える時間を設け、意見を交わしました。現象学についても話が及び、「行為に対して反応した【心】が大切ではないのか。」など、発表を通して議論が深まりました。

 後半では、杉谷氏と筆者による地域企業と学校【川崎市立川崎総合科学高等学校デザイン科/野田洋和】が協働で行なった実践活動の発表を行いました。杉谷氏は、デザイン思考を用いて地域や企業などで、社会実践を通した様々な活動をされています。

今回は、神奈川県川崎市の創業105年の老舗和菓子屋さんの新商品開発におけるCustomer Experience Designを、和菓子屋さんと地元高校デザイン科の生徒と共に行った活動の紹介です。プログラムの概要やその背景、成果などを共有し、その後の対話の話題提供としました。対話が大変盛り上がり、ビジネスと学校教育の視点から【社会とつながる子どものデザイン】【社会(子供)とつながる大人のデザイン】などについて時間いっぱいまで、議論が盛り上がりました。

前半、後半の発表がつながる場面もあり、会全体を通して大変充実した時間となりました。『幼少中高大』それぞれの教育課程の中で、子供達の発達段階などを配慮し「教育と社会が連携した学び」が営まれるための糸口が掴めました。

今回の月例研究会のテーマである「社会とつながる子供のデザイン 実践Ⅱ」から夏の研究大会までへのステップとなる会でした。

(文責 野田)