月例研究会

5月月例研究会 報告

5月22日日曜日、5月月例研究会が横浜人形の家のあかいくつ劇場にて行われました。東京から離れて月例研究会を行うのは実に3年ぶりになります。

今回の月例研究会は、横浜人形の家で行われている「春日明夫コレクション カラフル!メキシカントイ&ドール」の展覧会と,企画の一つであるトークイベントとタイアップをさせていただきました。

 トークイベントでは春日明夫先生、山田猛先生、山本正宏氏から貴重なお話をいただきました。春日先生からはメキシコの民芸的玩具と人形の魅力について、また造形的特徴についてのお話がありました。春日先生と山本氏のお話の中でも、特に印象に残ったのはメキシコの伝統的手作り玩具のスタイルを保ち、継承をしてきた玩具職人であるグメルシンド・エスパーニャ・オリバース氏です。お二人は多くの写真を紹介してくださりました。彼の玩具は、素朴さの中に豊かな人間性の込められたものとして今後も刮目されるものでしょう。山田先生からは中南米まで範囲を広げ、比較文化的視点でお話をいただきました。

 続けて造形教育センターの月例研究会として主催が変わったことにより、春日先生、山田先生からのお話は、より造形教育の本質に近い話題になっていきました。心の豊かさであったり、造形教育を通じて相互理解をはかっていったりすることなど、造形教育に関わる者への多くの問題提起がされました。

今回、質疑の時間等が十分に取れず、深めていくことまではできませんでした。しかしその分、造形文化に関する濃密な情報量と、先生方の熱意を受け取ることができました。その思いを愛と智恵に変え、これからの教育にどのように生かしていくか考えさせていただきました。今回で途切れさせず、今後再び海外の民芸的玩具やものづくり、多様な文化について話題をつなげていく機会ももちたいと考えています。

 展覧会は7月18日まで開催されています。是非多くの方にご覧いただきたいと思います。

(文責 守屋)